口説くどく)” の例文
さア/\/\と糶詰せりつめのちは男がそれまでに思召すのをなどと申して、いやらしい振になって騒ぎを起しまするが、女の子が男を口説くどく秘法は死ぬというが何より覿面てきめんでげす。
こゝ立石りふせきが下男に直助と云ふ者有りもとは信州の生れにして老實まめ/\しく働きけるが下女に心をかけ種々に口説くどくと雖も直助は片田舍かたゐなかの生れにて此下女は江戸の出生しゆつしやう故直助が云ふ事を聞ず兎角とかく強面つれなく當りしを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
きらふにあらねど未だ未邊女氣おぼこぎのうらはづかしく發揮はき問答へんじを爲さざるなる可し就ては氣永きなが口説くどく時は竟に意に從ふならんと思ふにもず其娘は今度本町の小西屋へ縁談えんだんきまり箇樣々々と糊賣のりうりお金が話したるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
とらへ出したる盜賊改め奧田主膳殿組與力笠原粂之進にてすなはち此家へお梅奉公致しけるが此粂之進獨身どくしんゆゑ此お梅の縹緻きりやうよき戀慕れんぼ種々いろ/\口説くどくと雖も此お梅貞節ていせつの女なれば決してしたがはざるにより彌々いよ/\粂之進思ひを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)