口寄くちよせ)” の例文
お覚えのめでたさ、その御機嫌の段いうまでもない——帰途に、身が領分に口寄くちよせ巫女いちこがあると聞く、いまだ試みた事がない。それへ案内あないをせよ。太守は人麿の声を聞こうとしたのである。
神鷺之巻 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「どうしたえ、口寄くちよせひとつやつてねえかえ」大勢おほぜいうちからしたものがあつた。あし葉末はずゑ微風びふうにもなびけられるやうこのためみなぞよ/\とまたさわいだ。群集ぐんしふうちにはおつぎもまじつてた。
(旧字旧仮名) / 長塚節(著)
口寄くちよせよ。」