いぬ)” の例文
いぬる日くだんの聴水を、途中にて見付しかば、名乗りかけて討たんとせしに、かへつてかれ方便たばかられて、遂にかかる不覚を取りぬ
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
マルチノ思ひ定めかねて、僧たちとはからんとていぬる折柄、ペツポのをぢは例の木履きぐつを手に穿きていざり來ぬ。
かくて僕いぬる日、黄金ぬしに追れしより、かの月丸つきまる遺児わすれがたみ、僕及び大王を、仇敵かたきと狙ふ由なりと、金眸に告げしかば。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
不題ここにまた彼の聴水は、いぬる日途中にて黄金丸に出逢ひ、すでに命も取らるべき処を、かろうじて身一ツを助かりしが。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)