占拠せんきょ)” の例文
ただ播州ばんしゅう一国の変ではありませぬ。いまや尼子あまこ勝久は、その臣、山中鹿之介らを擁して、秀吉の力をかり、上月城を占拠せんきょしておる。
新書太閤記:05 第五分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
かまうことはない、生きている金属は人間よりもかしこくて、強力なんだから、思いのままに人間を襲撃しゅうげきして、そのからだを占拠せんきょすることができるんだ
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)
オリオン峠は既に米軍に占拠せんきょされていて、二箇大隊は猛烈な攻撃を受け大隊長以下ほとんど全滅、わずか二十数名の兵がサンホセに還って来たのみである。
日の果て (新字新仮名) / 梅崎春生(著)
たえす塾生たちを困惑こんわくさせた一事があった、それは「蹶起けっき部隊」とか、「行動部隊」とか、あるいは「占拠せんきょ部隊」とかいう言葉が使用され、三日目になって
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
と、機や今なりと、急に、軍を、催して、佐々平左衛門さっさへいざえもんを主将に、前野小兵衛まえのこへえを副将とし、千八百の兵を放って、朝日山占拠せんきょにさしむけた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
叛乱はんらんに参加したのは、近衛歩兵このえほへい第三連隊・歩兵第一、第三連隊・市川野戦砲やせんほう第七連隊などの将兵の一部で、三宅坂みやけざか桜田門さくらだもんとらもん赤坂見附あかさかみつけの線の内側を占拠せんきょ
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
殊更ことさらマニラ飛行隊を帝都へ送って空襲をさせ、或いはアクロン号の夜襲、北海道、青森県の占拠せんきょまで、可也かなりの犠牲をかけて、日本艦隊の釣出しを試みたのであったが
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
「次に、アラスカ飛行聯隊は、午後十時、北海道、根室湾ねむろわんを、占領した。聯隊は、更に、津軽海峡つがるかいきょうを征服し、青森県大湊要港おおみなとようこう占拠せんきょせんものと、機会をうかがっている模様である」
空襲葬送曲 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そんな怪金属にこの身を占拠せんきょされてたまるものか。
金属人間 (新字新仮名) / 海野十三(著)