冥加至極みょうがしごく)” の例文
最初討手を仰せつけられたときに、お次へ出るところを劍術者新免武蔵しんめんむさしが見て、「冥加至極みょうがしごくのことじゃ、ずいぶんお手柄をなされい」
阿部一族 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
品物はわびしいが、なかなかのお手料理、えてはいるし、冥加至極みょうがしごくなお給仕、盆を膝に構えてその上にひじをついて、ほおを支えながら、うれしそうに見ていたわ。
高野聖 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
飯「あれから孝助に話しましたところ、当人も大層に悦び、わたくしの様な不束者ふつゝかものをそれ程までに思召おぼしめし下さるとは冥加至極みょうがしごくと申してナ、大概あらかた当人も得心いたした様子でな」
このお二人ふたりにからまる事蹟じせきすこしでも現世げんせ人達ひとたちつたわることになれば、わたくしつたな通信つうしんにもはじめていくらかの意義いぎくわわるわけでごさいます。わたくしにとりてこんな冥加至極みょうがしごくなことはございませぬ。
「これはこれは、冥加至極みょうがしごく
新書太閤記:09 第九分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)