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其背後
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そのうしろ
市郎は更に
跪ずいて底を覗いたが、底は
唯暗いのみで何にも見えなかった。お杉は黙って
其背後に突っ立っていた。
『
否え、
些とも』と
云つて
愛ちやんは、『
女王樣は
隨分——』
丁度其時愛ちやんは
女王樣が
其背後へ
近寄つて、
立聞してお
在でになるのに
氣がつきましたから
けれども
次に
愛ちやんは
前に
氣のつかなかつた
窓帷の
所へ
來ました、
其背後には
殆んど五
尺位の
高さの
小さな
戸がありました、
愛ちやんは
其小さな
黄金の
鍵を
其錠に
試み