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兆候
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ちょうこう
ふりがな文庫
“
兆候
(
ちょうこう
)” の例文
夢遊病者というものは、その
兆候
(
ちょうこう
)
が本人にも絶対に分らない。夜中に歩廻ったり、お喋りをしたりしても、朝になればすっかり忘れている。
二癈人
(新字新仮名)
/
江戸川乱歩
(著)
肺病ではないかときくと、そういう
兆候
(
ちょうこう
)
は今のところでは見えませんと言った。今のところという言葉を清三は気にした。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
宮廷内の割れ目や、新政府不信の民心に
乗
(
じょう
)
じて、がぜん、諸国に高まってきた春早々からの
兆候
(
ちょうこう
)
はそれだった。
私本太平記:09 建武らくがき帖
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
時は安政の
卯年
(
うどし
)
(一八五五)、すでに繁殖の
兆候
(
ちょうこう
)
はその前年に始まり、耕作の被害はなお翌年まで続いた。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
「しかし私が診察した時にゃ、まだ別に腹膜炎などの
兆候
(
ちょうこう
)
も見えないようでしたがな。——」
お律と子等と
(新字新仮名)
/
芥川竜之介
(著)
▼ もっと見る
一月ちかく入院していた俵的はやっと退院したが、
翌
(
あく
)
る年の秋になると、また同じ
兆候
(
ちょうこう
)
があらわれて入院した。それが次第に健康を
恢復
(
かいふく
)
してきたのは六つになってからである。
親馬鹿入堂記
(新字新仮名)
/
尾崎士郎
(著)
彼は心臓に病があった。その危険な
兆候
(
ちょうこう
)
が、五十
歳
(
さい
)
を
越
(
こ
)
えてからしばしば現われて来た。初めて大久保の新居に移った時は、春の
麗
(
うら
)
らかな日であって、裏の竹藪で
鶯
(
うぐいす
)
がしきりに鳴いてた。
小泉八雲の家庭生活:室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ
(新字新仮名)
/
萩原朔太郎
(著)
「悪い
兆候
(
ちょうこう
)
じゃなかろう」
ガラマサどん
(新字新仮名)
/
佐々木邦
(著)
「ウム、まだその
兆候
(
ちょうこう
)
は見えていないが……」
江戸三国志
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“兆候”の意味
《名詞》
兆 候(ちょうこう)
何かの前触れ。兆し。
(出典:Wiktionary)
兆
常用漢字
小4
部首:⼉
6画
候
常用漢字
小4
部首:⼈
10画
“兆”で始まる語句
兆
兆殿司
兆二郎
兆域
兆民居士
兆占
兆寿
兆庶
兆瑞
兆載