あて)” の例文
かくシリベシを後方羊蹄と書くのは、如何にも奇抜至極な字をあてたもので、これは余程ヒョウキンな書きぶりである事を失わない。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
時間はまだ早いけれども、此処で御中食をなさる御予定であったので、社務所では特に舞殿を装飾して、御休息所にあてる積りであったらしい。
彼等は船暈ふなよいでへとへとになっている上に、あてがわれた食糧は、まる四日間にすっかり食い尽してしまって、今は、石のように堅くなった麺麭パンの皮や
茄子の二十本ばかりも植える様にしてあてがったゞが、何うもの按摩取は只の人でなえ、彼の泥坊を押える塩梅あんばいが只ではなえと思って旦那が聞いたら、元は侍だが仔細有って坊様に成りまして
敵討札所の霊験 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
子供はい起きて爺々ちゃん菓子の代給えという。十二三文を与うれば、これも外の方へ走りづ。しかしてなお残る銭百文または二百文もあらん。酒の代にやしけん、積みて風雨の日の心あてにや貯うるならん。
吉田松陰 (新字新仮名) / 徳富蘇峰(著)
昔の人がこの木に山茶花さんさかの漢名をあてた事があるので、多分それからサザンカの名を生じたのではないかと思う。すなわち山茶花のサンサカが音便によって遂にサザンカに転化したのであろう。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)
今はこのツクバネソウをそれにあてるのがまず通説の様になっている。
植物記 (新字新仮名) / 牧野富太郎(著)