儒学じゅがく)” の例文
旧字:儒學
これはただに儒学じゅがくのみでなく、仏教においても同然で、今日こんにちもなおがたき句あれば「珍聞漢ちんぷんかん」とか、あるいは「おきょうよう」なりという。
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
儒学じゅがく最盛期さいせいき荻生徂徠おぎゅうそらいみだりに外来の思想を生嚼なまかじりして、それを自己という人間にまで還元することなく、思いあがった態度で吹聴ふいちょうしているのに比べると
星座 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
範宴はんえんは、宿房の一間ひとまに、坐っていた。机のうえには、儒学じゅがくの師、日野民部から学んだ白氏文集はくしもんじゅうが載っている。これは、山へのぼってからも、離さない書物であった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
このさいにおける英断には、玄以げんいに学んだ儒学じゅがくも、大燈だいとう夢窓むそうの両禅師からうけた禅の丹心も、その活機を見つけるところもない幾十日の昼の御座ぎょざよる御殿おとどのおん悩みらしかった。
私本太平記:10 風花帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
父の教育からいえば、父の若い時代としては新しい教育を受けた方だが、その根柢をなしているものはやはり朱子学派の儒学じゅがくであって、その影響からは終生脱することができなかった。
私の父と母 (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼の小さい手を、握りしめた人は、彼の儒学じゅがくの師範であった日野民部忠経ただつねだった。
親鸞 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
また、何かにつけ、仏法や儒学じゅがくなど持ち出すのも、清盛は気にくわない。
源頼朝 (新字新仮名) / 吉川英治(著)