“傳播(でんぱ)” の例文
新字:伝播
寡言(むくち)なむつゝりとした卯平(うへい)は固(もと)より勘次(かんじ)を顧(かへり)みようともしなかつた。おつぎはそれを心(こゝろ)に苦(くる)しんで見(み)たがそれは到底(たうてい)及(およ)ばぬことであつた。村落(むら)の内(うち)には卯平(うへい)との衝突(しようとつ)がぱつと又(また)傳播(でんぱ)された。
土 (旧字旧仮名) / 長塚節(著)
采配を執(と)つてお勢の家へ人を走らせたり、町役人に屆けさせたり、一方家中の者の口を封じて、無制限に擴がつて行く危險な噂の傳播(でんぱ)を防ぎましたが、かうなつては何程の役にも立ちません。
我々の祖先に依ツて廣く傳播(でんぱ)された宗教といふ迷信的の眞理では、我々人類が甚だえらい者のやうに説かれてゐるから、人間の靈性だとか、死者の尊嚴だとかいふことを考へて、解剖することが
解剖室 (旧字旧仮名) / 三島霜川(著)
悲壯極りなきクリストの教さへ、末世に至つて救世軍の廣告的傳道によつて全く其の威嚴を失つた。主義の傳播(でんぱ)鼓吹は其の何たるを問はず虚僞の方便と誇張と、狹隘な排他思想を産むばかりである。
歓楽 (旧字旧仮名) / 永井荷風、永井壮吉(著)