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傍眼
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わきめ
ふりがな文庫
“
傍眼
(
わきめ
)” の例文
「山田長政」や「虎」の絵にはその「掴んだ」と云ふ感じが顕著に出てゐる。そして彼はその狭い道の上で
傍眼
(
わきめ
)
もふらずにめき/\と進みつゝある。
青銅の基督:――一名南蛮鋳物師の死
(新字旧仮名)
/
長与善郎
(著)
箇程の技倆を有ちながら空しく埋もれ、名を発せず世を経るものもある事か、
傍眼
(
わきめ
)
にさへも気の毒なるを当人の身となりては如何に口惜きことならむ
五重塔
(新字旧仮名)
/
幸田露伴
(著)
二階で呼鈴が鳴ると、妻が白いエプロンをかけて、
麦酒
(
びいる
)
を盆にのせて持て行くのです。私は階段下に居ます。妻が
傍眼
(
わきめ
)
に一寸私を見て、ずうと二階に上って行く。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
かれ等は別れて来た幹線——一直線に
傍眼
(
わきめ
)
も触らずに一日一夜やつて来た幹線の方を名残惜しさうに振返つた。かれ等は何とも言はれないさびしさに襲はれた。かれ等はあたりを見廻すやうにした。
浴室
(新字旧仮名)
/
田山花袋
、
田山録弥
(著)
かほどの
技倆
(
うで
)
をもちながら
空
(
むな
)
しく
埋
(
うず
)
もれ、名を発せず世を経るものもあることか、
傍眼
(
わきめ
)
にさえも気の毒なるを当人の身となりてはいかに口惜しきことならん
五重塔
(新字新仮名)
/
幸田露伴
(著)
▼ もっと見る
而して彼女をも同じ波瀾に捲き込むべく努めた。斯等の手紙が
初心
(
うぶ
)
な彼女を
震駭
(
しんがい
)
憂悶
(
ゆうもん
)
せしめた
状
(
さま
)
は、
傍眼
(
わきめ
)
にも気の毒であった。彼女は従順にイブセンを読んだ。ツルゲーネフも読んだ。
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
石が大きければ水煙も
夥
(
おびただ
)
しいと云った様なもので、
傍眼
(
わきめ
)
には
醜態
(
しゅうたい
)
百出トルストイ家の
乱脈
(
らんみゃく
)
と見えても、あなたの
卒直
(
そっちょく
)
一剋
(
いっこく
)
な御性質から云っても、令息令嬢達の
腹蔵
(
ふくぞう
)
なき性質から云っても
みみずのたはこと
(新字新仮名)
/
徳冨健次郎
、
徳冨蘆花
(著)
傍
常用漢字
中学
部首:⼈
12画
眼
常用漢字
小5
部首:⽬
11画
“傍”で始まる語句
傍
傍目
傍若無人
傍見
傍人
傍輩
傍観
傍杖
傍題
傍道