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俚俗
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りぞく
ふりがな文庫
“
俚俗
(
りぞく
)” の例文
武蔵と巌流の試合が
喧伝
(
けんでん
)
されてから後のもので、その以前は、
船島
(
ふなしま
)
とよばれていたし、その船島という名も、附近の
俚俗
(
りぞく
)
の呼び慣わしで
随筆 宮本武蔵
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
恋は悲しい、
遂
(
つい
)
に添われぬ身の
果
(
はて
)
を嘆いて、お富もまた離ればなれに
上
(
かみ
)
の手の岩から身を躍らしたと
俚俗
(
りぞく
)
にいう。
木曾川
(新字新仮名)
/
北原白秋
(著)
「
俚俗
(
りぞく
)
かくれ
里
(
さと
)
と
云
(
い
)
ひ、鼠多し。近年
可賀島
(
かがしま
)
に移るといふ。この島にて猫の声を禁ず」とあるが、それは前後二つの島の両方ともに
謂
(
い
)
っていたことと思われる。
海上の道
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
今では
端
(
はず
)
れになったのであるがそれでも銀行、郵便局、湯屋、
寄席
(
よせ
)
、活動写真館、玉の井
稲荷
(
いなり
)
の如きは、いずれも以前のまま大正道路に残っていて、
俚俗
(
りぞく
)
広小路
濹東綺譚
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
またある人、
小野蘭山
(
おのらんざん
)
先生にたずねければ、「
黄県志
(
こうけんし
)
」の
皮狐
(
ひこ
)
にちかしと答えられしとなり。
雲伯
(
うんぱく
)
の
俚俗
(
りぞく
)
、このものの人を悩ますことをいえども、人を悩ますものにあらず。
迷信と宗教
(新字新仮名)
/
井上円了
(著)
▼ もっと見る
なんと、彼が迷いこんだ所は、
俚俗
(
りぞく
)
“
還道村
(
かんどうそん
)
”という幾重もの丘陵にかこまれた樹林の奥であったのだ。
新・水滸伝
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
独り
俚俗
(
りぞく
)
の友であった俳諧の記録だけが、偶然にこれを我々には語っているのであった。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
これより先明治三年の九月、房州の鈴木松塘もまた向柳原二丁目に卜居しその詩社を
七曲吟社
(
ななまがりぎんしゃ
)
と名づけた。浅草
鳥越
(
とりこえ
)
の辺から向柳原の地を
俚俗
(
りぞく
)
七曲りと呼んだのに因ったのである。
下谷叢話
(新字新仮名)
/
永井荷風
(著)
狐というものは大概——化けている
象
(
かたち
)
から何尺か後ろに身を置いているものだと——これも幼少からよく聞いていた
俚俗
(
りぞく
)
の狐狸学を思い出して、伊織は
固唾
(
かたず
)
をのんでいたのである。
宮本武蔵:06 空の巻
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
俚俗
(
りぞく
)
と文芸とを
繋
(
つな
)
ぎ合わせようとする試みは、なるほど最初からの俳道の本志であったには相違ない。しかしその人を動かそうとした力の入れ
処
(
どころ
)
が、いつのまにか裏表にかわっていたのである。
木綿以前の事
(新字新仮名)
/
柳田国男
(著)
“俚俗”の意味
《名詞》
田舎びていること。また、そのようなさまや風習。
(出典:Wiktionary)
俚
漢検1級
部首:⼈
9画
俗
常用漢字
中学
部首:⼈
9画
“俚俗”で始まる語句
俚俗摩利支天