侍僧じそう)” の例文
とらわれの僧忠円は、宮が梶井の梨本なしもと門跡もんぜきとしておわした頃の侍僧じそうである。べつな意味では近臣といってもいい。
私本太平記:04 帝獄帖 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
告て臺所だいどころへ下り所化しよけへもあつく禮をのべ居たる處へ奧の方より侍僧じそう出來いできたり明日は未明みめいの御供そろひにて相良まで御出あるにより陸尺ろくしやく仲間ちうげん支度したくすべしと申渡しけるを
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
甥の春久しゅんきゅう上人という竜門寺に居たのが、介抱に来ていた。増賀は侍僧じそうに、碁盤をて来いと命じた。
連環記 (新字新仮名) / 幸田露伴(著)
やがて、最後のひびきが、みわたった空に消え入るのを待って、和尚は侍僧じそうを呼んでたずねた。
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)