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余喘
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よぜん
ふりがな文庫
“
余喘
(
よぜん
)” の例文
旧字:
餘喘
ついきのうまでも、まだまだとのみ先を頼むの念は強かったに、今はわが生の
余喘
(
よぜん
)
も先の見えるような気がしてならない。
紅黄録
(新字新仮名)
/
伊藤左千夫
(著)
支那人は、
抑圧
(
よくあつ
)
せられ、
駆逐
(
くちく
)
せられてなお、
余喘
(
よぜん
)
を保っている資本主義的分子や、富農や意識の高まらない女たちをめがけて、贅沢品を持ちこんでくるのだ。
国境
(新字新仮名)
/
黒島伝治
(著)
京伝や馬琴の流を汲んだ戯作者の残党が
幇間
(
ほうかん
)
芸人と伍して僅かに
余喘
(
よぜん
)
を保っていたのだから、
偶々
(
たまたま
)
文学
勃興
(
ぼっこう
)
の機運が熟しても
渠
(
かれ
)
らはその運動に与かる力がなくて
硯友社の勃興と道程:――尾崎紅葉――
(新字新仮名)
/
内田魯庵
(著)
必要が無ければ消滅すべきであるのに、この理に当然消滅すべきものが今なお不思議にも政府と議会との間に介在し、消滅せんとしてなお
余喘
(
よぜん
)
を保ちつつあるとは何事であるか。
勢力の中心を議会に移すべし
(新字新仮名)
/
大隈重信
(著)
この美的陶磁器生産の
余喘
(
よぜん
)
は、各地にこれを求めることは出来るけれども、殆どが個人作家の小規模な、陶磁器製作という形であるか、あるいは一地方の一握りの需要を充たすための
日本のやきもの
(新字新仮名)
/
北大路魯山人
(著)
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各種の経典に説かれているので、現在、世界各地に
余喘
(
よぜん
)
を保っている
所謂
(
いわゆる
)
、宗教なるものは、こうした科学的の考察を粉飾して、未開の人民に教示した儀礼、方便等の迷信化された残骸である。
ドグラ・マグラ
(新字新仮名)
/
夢野久作
(著)
わずかに残骸の威をかりて一日の
余喘
(
よぜん
)
を保とうとしている今日の徳川幕府、この衝突を中心に、目下全国いたるところに血を流し、肉を飛ばしている悲雨惨風、これをそのまま形に表わしたような
つづれ烏羽玉
(新字新仮名)
/
林不忘
(著)
それはいまだに
余喘
(
よぜん
)
を保っている世代の一代表者なのである。
地下生活者の手記
(新字新仮名)
/
フィヨードル・ミハイロヴィチ・ドストエフスキー
(著)
“余喘”の意味
《名詞》
息が絶えそうであるが、まだ息をしていること。虫の息。
(出典:Wiktionary)
余
常用漢字
小5
部首:⼈
7画
喘
漢検1級
部首:⼝
12画
“余”で始まる語句
余
余所
余程
余裕
余燼
余韻
余計
余波
余所行
余所目