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何方
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どツち
食べやう、
若し
其爲めに
私が、もつと
大きくなれば
鍵に
手が
達くし、
又若し
小さくなれば
戸の
下を
匍はれる、
何方にしろ
私は
其花園に
出られる、
何うなつても
關はない!
『
東京と
云つたり、
品川と
云つたり、
何方なんだ』
愛ちやんは
少し
食べて、
氣遣しさうに『
何方?
何方?』と
呟いて、
何方へ
大きくなつたかと
思つて
頭の
天邊へ
手をやつて
見ましたが、
矢張大きさが
同じなので
落膽しました。