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他郷
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たきょう
ふりがな文庫
“
他郷
(
たきょう
)” の例文
けれども梅三爺は、どんな幸福が待っているとしても、先祖の
墓所
(
はかしょ
)
を見限り、生まれた土地をはなれて、知らぬ
他郷
(
たきょう
)
へ行って暮らす気にはなれなかった。
土竜
(新字新仮名)
/
佐左木俊郎
(著)
見ていると、旅人はさながら疲れた鳥がねぐらを求めるように、てくてくと歩いて町へはいって行った。
何故
(
なにゆえ
)
ともなく
他郷
(
たきょう
)
という感が激しく胸をついて起こった。
田舎教師
(新字新仮名)
/
田山花袋
(著)
そして、
心
(
こころ
)
では、だれか、
村
(
むら
)
の
青年
(
せいねん
)
で、
他郷
(
たきょう
)
に
家
(
いえ
)
を
持
(
も
)
ったものの
女房
(
にょうぼう
)
であろうと
思
(
おも
)
いました。
とうげの茶屋
(新字新仮名)
/
小川未明
(著)
たとえば
他郷
(
たきょう
)
へ出て功をあげた子が、その
都度
(
つど
)
、家郷の親へよろこびを告げにゆくように——彼は京都へ上っては、陛下に伏して身を低うするときの
赤子
(
せきし
)
の情を忘れ得なかった。
新書太閤記:05 第五分冊
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
晋
(
しん
)
の人でその資産を弟に
托
(
たく
)
して、久しく
他郷
(
たきょう
)
に出商いをしている者があった。旅さきで妻を
娶
(
めと
)
って一人の子を儲けたが、十年あまりの後に妻が病死したので、その子を連れて故郷へ帰って来た。
中国怪奇小説集:17 閲微草堂筆記(清)
(新字新仮名)
/
岡本綺堂
(著)
▼ もっと見る
他郷
(
たきょう
)
に
入
(
い
)
って
争
(
いさか
)
いすべからず、
利
(
り
)
ある争いもかならず不利、——という
諺
(
ことわざ
)
は、むかしの
案内記
(
あんないき
)
などにはかならず
記
(
しる
)
していましめてあることだ。まして、相手が悪そうだから、
卜斎
(
ぼくさい
)
も悪びれないで
神州天馬侠
(新字新仮名)
/
吉川英治
(著)
“他郷”の意味
《名詞》
郷里から離れた地。異郷の地。
(出典:Wiktionary)
他
常用漢字
小3
部首:⼈
5画
郷
常用漢字
小6
部首:⾢
11画
“他郷”で始まる語句
他郷者