仕掛じかけ)” の例文
月野博士はかせはロウエル教授けうじゆおなかんがへで 火星くわせいは水がすくない そこで運河うんがへは火星じんが大仕掛じかけ給水きふすゐポンプで水をくばるといふのぢや
と、一声さけんで、バネ仕掛じかけの人形のようにとびあがった。平生おちつきはらっている帆村としては、めずらしい狼狽ろうばいぶりだ!
爆薬の花籠 (新字新仮名) / 海野十三(著)
西洋蝋燭ろうそくがばね仕掛じかけで管の中からせり上がって来る当時ではハイカラな燭台を使うこともあったが、しかし就寝時の有明けにはずっと後までも行燈を使っていた。
追憶の冬夜 (新字新仮名) / 寺田寅彦(著)
その瞬間しゅんかん、ザクンと一打ひとうち、大きなくまの手が、かれの右のひたいから頭にかけて打ちおろされた。男は、むちゅうでバネ仕掛じかけのようにとび上がって、あとはどうしたのか自分にはわからない。
くまと車掌 (新字新仮名) / 木内高音(著)
実は、山岡屋から殺してくれと頼まれて、てめえに、喧嘩仕掛じかけを吹ッかけたのだが、もうやめて、その代りに、和尚鉄の金には、俺の息もかかっていると思ってくれ。百や二百のけ前じゃ承知しねえぞ
魚紋 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ピートは、ばね仕掛じかけの人形のように戦車の中に飛びのったが、そのときまたどどーん、どどーんと、相ついで小爆発が起って、船体がぐらぐらと、動揺した。
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そういうかしこい生物は、人間が想像することのできないほど大仕掛じかけの仕事をやってのけるだろう、と思うね
三十年後の世界 (新字新仮名) / 海野十三(著)
そうです、この小室しょうしつ全体が、エレベーター仕掛じかけになっているのです。床も天井も壁も、一緒に落ちていくのです。もう今はたいへんなスピードで落ちていますよ。