“仏臭”の読み方と例文
読み方割合
ほとけくさ100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
私が帰った時は、Kの枕元まくらもとにもう線香が立てられていました。室へはいるとすぐ仏臭ほとけくさけむりで鼻をたれた私は、その烟の中にすわっている女二人を認めました。
こころ (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
かみさんとこへいにくのもいいけれど、おとなり壁越かべごしにつたわってくるにおいをかぐと、仏臭ほとけくさいようながしてたまらないから、なるたけこっちへ、かけててもらいたいって。
おせん (新字新仮名) / 邦枝完二(著)
いわゆる“祇園精舎ぎおんしょうじゃの鐘の声”とは、この辺の峰、山ふところなどの、朱門しゅもん楼閣ろうかくや堂塔の繁昌を思わせるものだが、若いこの一僧の姿には、みじんの装飾もない、仏臭ほとけくささもない。