仁術じんじゆつ)” の例文
欺き五十兩の金をばかたり取たくみと云を打聞うちきゝ長庵は兩眼をくわつとむき出し目眦まなじり逆立さかだて形相かたちを改め這は聞にくき今の一言此長庵をかたりなどとは何事ぞや我等は仁術じんじゆつ
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
又此長庵に白状せよと言て仕舞しまへのとは何事ぞ某しに於ては何もいふことはない如何樣人間の命を取ほど有て不屆ふとゞきの奴なり此長庵は人をたすくる仁術じんじゆつに此世を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
助ける仁術じんじゆつ渡世とせいにて陰徳いんとく有ば陽報やうはうありとの古語も當に成ず口惜く候とひとごとを云を越前守殿おのれ此上は眼に物見せんと少しくいかりの色をあらはされしかば一同の者は顏を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)