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仁術
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じんじゆつ
欺き五十兩の金をば
騙り取
巧みと云を
打聞長庵は兩眼を
濶とむき出し
目眦逆立形相を改め這は聞
憎き今の一言此長庵を
騙りなどとは何事ぞや我等は
仁術を
又此長庵に白状せよと言て
仕舞へのとは何事ぞ某しに於ては何も
言ことはない如何樣人間の命を取ほど有て
不屆きの奴なり此長庵は人を
助くる
仁術に此世を
助ける
仁術の
渡世にて
陰徳有ば
陽報ありとの古語も當に成ず口惜く候と
獨り
言を云を越前守殿
汝れ此上は眼に物見せんと少しく
怒りの色を
顯されしかば一同の者は顏を