仁助にすけ)” の例文
醸造場では、従兄の仁助にすけ杜氏とうじだった。小さい弟の子守りをしながら留守居をしていた祖母は、恥しがる京一をつれて行って
まかないの棒 (新字新仮名) / 黒島伝治(著)
「初荷の仕事はあったが、手燭がうるさいから、夜業はしねえ、——昨夜納屋に来たのは、仁助にすけ吉三郎よしさぶろうの二人っきりだ」
「なあんだ兵吉じゃねえか。仁助にすけも三吉もか。馬鹿野郎ども。我家さチャセゴに来る奴、あっか。馬鹿。」
手品 (新字新仮名) / 佐左木俊郎(著)
と親子で争っている所へ、ガラッと戸を明けて来たのは繼立つぎたて仁助にすけという胡麻の灰。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
この時代の町奴の習いとして、その他の者共も並木なみき長吉ちょうきち橋場はしば仁助にすけ聖天しょうでん万蔵まんぞう田町たまち弥作やさくと誇り顔に一々名乗った。もうこうなっては敵も味方も無事に別れることの出来ない破目になった。
番町皿屋敷 (新字新仮名) / 岡本綺堂(著)
大「あゝ大きに御苦労だが、又廻りの刻限が来たから往ってもらわなければならん、昼間お客来きゃくらい遺失物おとしものでもあるといかんから、仁助にすけわしが一人で見廻ろう、雪がちらちらと来たようだから」
菊模様皿山奇談 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
六十年輩の爺や——遠州屋の仁助にすけというのが飛込んで来ました。
これは繼立つぎたて仁助にすけという胡麻の灰でございます。
塩原多助一代記 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)