二三分にさんぶ)” の例文
懸け易える度に尻尾の重みで浅くなる。二三分にさんぶ滑れば落ちねばならぬ。吾輩はいよいよ危うい。棚板を爪できむしる音ががりがりと聞える。
吾輩は猫である (新字新仮名) / 夏目漱石(著)
おほきさは一寸いつすん二三分にさんぶちひさなせみぐらゐあつた、とふ。……しかしその綺麗きれいさは、うもおもふやうにいひあらはせないらしく、じれつたさうに、家内かない逆上のぼせてた。たゞあをつたのでは厄介やつかいだ。
番茶話 (旧字旧仮名) / 泉鏡花泉鏡太郎(著)