乗切のっき)” の例文
旧字:乘切
棒同然な物で大海たいかい乗切のっきるのでありますから、虫のうより遅く、そうかと思うと風の為に追返されますので、なか/\捗取はかどりませぬ。
後の業平文治 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)
維新前に、どこかの殿様が行列を正して西丸にしのまる近所を通って登城とじょうするさい、外国人が乗馬でその行列のはな乗切のっきった。殿様はもとよりその従者も一方ひとかたならず憤慨ふんがいし、殿とのはただちに通訳を
自警録 (新字新仮名) / 新渡戸稲造(著)
馬は良し乗人のりては上手でぽん/\乗切のっきってやがて小原山の中央なかほどへ参りますと、湯殿山ゆどのさん深彫ふかぼりのした供養塔が有ります、大先達だいせんだつ喜樂院きらくいんの建てました物で
山三郎は馬も上手でございますから鞍へひらりとまたがりまして、最初は心静かにポカ/\とだくを乗りまして、陣屋前から大ヶ谷おおがや町を過ぎて、鴨居の浦を乗切のっきりまして、此処らは難所なんじょですが