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丸潰
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まるつぶ
ふりがな文庫
“
丸潰
(
まるつぶ
)” の例文
「土地の御用聞や町役人につかまつて、到頭半日
丸潰
(
まるつぶ
)
れ、——このまゝで歸つても恰好がつかねえから、一應親分の耳にも入れて」
銭形平次捕物控:167 毒酒
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
思ったよりも長篇なので、前後半日と中一日を
丸潰
(
まるつぶ
)
しにして
漸
(
ようや
)
く業を
卒
(
お
)
えて考えて見ると、中々骨の折れた作物である。
『土』に就て:長塚節著『土』序
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
かしらの二日は大粒の雨が、ちょうど夜店の出盛る頃に、ぱらぱら
生暖
(
なまあったか
)
い風に吹きつけたために——その癖すぐに晴れたけれども——
丸潰
(
まるつぶ
)
れとなった。
菎蒻本
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
一日は一日とお定りの
祷
(
いの
)
りの言葉に切実が加はつた。小学校で学問が出来て得意になつてゐる時でも、黒坊主々々々と呼ばれると、私の面目は
丸潰
(
まるつぶ
)
れだつた。
途上
(新字旧仮名)
/
嘉村礒多
(著)
それは現今の如く、火災保険などいうような方法があるではなく、また消火機関が完全してもいないから、一度類焼したが最後、財産はほとんど
丸潰
(
まるつぶ
)
れになりました。
幕末維新懐古談:16 その頃の消防夫のことなど
(新字新仮名)
/
高村光雲
(著)
▼ もっと見る
御行 (意地悪そうに笑って)……さて、それでは大納言の信用が
丸潰
(
まるつぶ
)
れになってしまう。
なよたけ
(新字新仮名)
/
加藤道夫
(著)
まして、川を越して深川の尾張屋が乗出すようなことになると島吉の顔は
丸潰
(
まるつぶ
)
れでしょう。平次が気軽に乗出したのも無理のないことだったのです。
銭形平次捕物控:105 刑場の花嫁
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
ありがたいと礼を云う
閑
(
ひま
)
もないうちに、うっとりとしちまって、生きている以上は是非共その経過を自覚しなければならない時間を、
丸潰
(
まるつぶ
)
しに潰していた。ところが
眼
(
め
)
が
覚
(
さ
)
めた。
坑夫
(新字新仮名)
/
夏目漱石
(著)
「親分までそんな事を言っていちゃ、あっしは
丸潰
(
まるつぶ
)
れだ。お半という女は、そりゃ醜い女に違いないが、若旦那と嫁の間を一所懸命取持とうというほどの善人ですぜ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(新字新仮名)
/
野村胡堂
(著)
「親分までそんな事を言つて居ちや、あつしは
丸潰
(
まるつぶ
)
れだ。お半といふ女は、そりや
醜
(
みにく
)
い女に違ひないが、若旦那と嫁の間を一所懸命取持たうといふほどの善人ですぜ」
銭形平次捕物控:137 紅い扱帯
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
お若も主人も
階下
(
した
)
へ降りると、彌吉は清太郎を殺す氣になつた。ツイ側の
箪笥
(
たんす
)
には主人の古い差料の脇差が入つてゐる——清太郎が氣を變へてお筆の
婿
(
むこ
)
になれば、彌吉の望みは
丸潰
(
まるつぶ
)
れだ。
銭形平次捕物控:176 一番札
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
「
丸潰
(
まるつぶ
)
れだよ、親分」
銭形平次捕物控:300 系図の刺青
(旧字旧仮名)
/
野村胡堂
(著)
丸
常用漢字
小2
部首:⼂
3画
潰
常用漢字
中学
部首:⽔
15画
“丸”で始まる語句
丸
丸髷
丸太
丸薬
丸善
丸裸体
丸行燈
丸木橋
丸山
丸切