両肩りょうかた)” の例文
いきなりシューラの両肩りょうかたつかんで、自分の寝室しんしつへ引っぱって行った。シューラは心配しんぱいになって、むねがどきりとした。ママはこういった。
身体検査 (新字新仮名) / フョードル・ソログープ(著)
背向うしろむきの石地蔵いしじぞうが、看護婦の冠る様な白い帽子をせられ、両肩りょうかたには白い雪のエパウレットをかついで澄まして立ってござるのだ。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)
とおかあさんはないしょ話のような小さな声で、ぼくの両肩りょうかたをしっかりおさえてぼくに聞いた。
火事とポチ (新字新仮名) / 有島武郎(著)
この時には両肩りょうかたと両腕とでUの字になることが要領じゃ、いたずらにここが直角になることは血液循環じゅんかんの上からもまた樹液運行の上からも必要としない。この形になることが要領じゃ。わかったか。六番
饑餓陣営:一幕 (新字新仮名) / 宮沢賢治(著)
大河はにっと笑って、次郎の両肩りょうかたに手をかけ
次郎物語:05 第五部 (新字新仮名) / 下村湖人(著)
早速右の肩がこぶの様にれ上がる。明くる日は左の肩を使う。左は勝手かってが悪いが、痛い右よりまだましと、左を使う。直ぐ左の肩が腫れる。両肩りょうかた腫瘤こぶで人間の駱駝が出来る。
みみずのたはこと (新字新仮名) / 徳冨健次郎徳冨蘆花(著)