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よわたり
ふりがな文庫
“
世渡
(
よわたり
)” の例文
花子はこんな
世渡
(
よわたり
)
をする女の常として、いつも人に問われるときに話す、きまった、
stéréotype
(
スシレオチイプ
)
な身の上話がある。
花子
(新字新仮名)
/
森鴎外
(著)
その箱と
盥
(
たらい
)
とを
荷
(
にな
)
った、
痩
(
やせ
)
さらぼいたる作平は、
蓋
(
けだ
)
し江戸市中
世渡
(
よわたり
)
ぐさに
俤
(
おもかげ
)
を残した、鏡を研いで
活業
(
なりわい
)
とする
爺
(
じじい
)
であった。
註文帳
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
また慾に
渇
(
かわ
)
いて
因業
(
いんごふ
)
な
世渡
(
よわたり
)
をした老婆もあツたらう、それからまた
尚
(
ま
)
だ赤子に乳房を
啣
(
ふく
)
ませたことの無い
少婦
(
をとめ
)
や胸に
瞋恚
(
しんい
)
のほむらを燃やしながら
斃
(
たふ
)
れた醜婦もあツたであらう。
解剖室
(旧字旧仮名)
/
三島霜川
(著)
何
(
いづ
)
れにしても
世渡
(
よわたり
)
の茶を濁さずといふこと無かりしかど、皆思はしからで巡査を志願せしに、上官の首尾好く、
竟
(
つひ
)
には警部にまで取立てられしを、中ごろにして
金
(
きん
)
これ
権
(
けん
)
と感ずるところありて
金色夜叉
(新字旧仮名)
/
尾崎紅葉
(著)
世渡
(
よわたり
)
上手の掛引をまだ覚えているな。
ファウスト
(新字新仮名)
/
ヨハン・ヴォルフガング・フォン・ゲーテ
(著)
▼ もっと見る
つい台所用に女房が立ったあとへは、鋲の目が出て髯を揉むと、「
高利貸
(
あいす
)
が居るぜ。」とか云って、貸本の
素見
(
ひやかし
)
までが遠ざかる。当り触り、
世渡
(
よわたり
)
は
煩
(
むず
)
かしい。
薄紅梅
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
世渡
(
よわたり
)
やここに一
人
(
にん
)
、飴屋の親仁は変な顔。
叱言
(
こごと
)
を、と思う
頬辺
(
ほっぺた
)
を窪めて、もぐもぐと呑込んで
黙言
(
だんまり
)
の、眉毛をもじゃ。若い妓は気の毒なり、小児たちは常得意。
日本橋
(新字新仮名)
/
泉鏡花
(著)
世
常用漢字
小3
部首:⼀
5画
渡
常用漢字
中学
部首:⽔
12画
“世渡”で始まる語句
世渡草