あがり)” の例文
老畸人も亦たむかしの豪遊の夢をや繰り返しけむ、くさめ一つして起きあがりたれば、冷水ひやみづのんど湿るほし、眺めあかぬ玄境にいとま乞して山を降れり。
三日幻境 (新字旧仮名) / 北村透谷(著)
白とべにとが解けあったところを、指のさきにすくいとると、かたわら絵絹えぎぬの上へ、くるりと、女の腰の輪かくを一息に丸く描いて、その次には、上の方へもっていってポチリと点を打ったあがりをおいた。
田沢稲船 (新字新仮名) / 長谷川時雨(著)