三升みます)” の例文
そう聞かされて見れば、子供心にもなるほどとうなずかれる。流し場の隅に積み重ねてある留桶とめおけのなかで三升みますもんなどが光っていたからである。
座頭は三升みます大五郎(四代)という京都根生ねおいの役者で、これが由良之助をした。あまり上手ではないとの評判であった。
鳴雪自叙伝 (新字新仮名) / 内藤鳴雪(著)
彼方此方かなたこなたに響く鑿金槌のみかなづちの音につれて新しい材木のやににおいが鋭く人の鼻をつく中をば、引越の荷車は幾輛いくりょうとなく三升みますたちばな銀杏いちょうの葉などの紋所もんどころをつけた葛籠つづらを運んで来る。
散柳窓夕栄 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
よつ三升みます目印めじるし門前もんぜんいちすにぞ、のどづゝ往来わうらいかまびすしく、笑ふこゑ富士ふじ筑波つくばにひゞく。
落語の濫觴 (新字旧仮名) / 三遊亭円朝(著)
ある年は、小切れをもらってお手玉をつくる小豆あずきを、お盆の上でっていた。ある年はお手習いしていた。またある年は、燈心を丸めて、紙で包んだまりを、色糸で麻の葉や三升みますにかがっていた。