七夜しちや)” の例文
「手前どもでも初めての孫が生まれまして、昨晩は七夜しちやを祝いました。いろいろごだごだいたしました。さだめし、おやかましかろうと存じます。」
夜明け前:01 第一部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
取結とりむすばせける夫より夫婦なかむつましく暮しけるが幾程いくほどもなく妻は懷妊くわいにんなし嘉傳次はほか家業なりはひもなき事なれば手跡しゆせきの指南なしかたは膏藥かうやくなどねりうりける月日早くも押移おしうつ十月とつき滿みちて頃は寶永二年いぬ三月十五日のこく安産あんざんし玉の如き男子出生しゆつしやうしける嘉傳次夫婦がよろこび大方ならずほどなく七夜しちやにも成りければ名を
大岡政談 (旧字旧仮名) / 作者不詳(著)
翌年の五月には、三吉夫婦はお房という女のの親であった。書生は最早居なかった。手の無い家のことで、お雪は七夜しちやの翌日から起きて、子供の襁褓むつきを洗った。
家:01 (上) (新字新仮名) / 島崎藤村(著)