一挺いつちよう)” の例文
をぢは一挺いつちようおのを腰にしたり。れいによりてのしのしとあゆみながら、いばらなどひしげりて、きぬそでをさへぎるにあへば、すかすかと切つて払ひて、うつくしき人を通し参らす。
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
その半腹はんぷくにかかりある厳角いわかどこけのなめらかなるに、一挺いつちようはだかろうともしたる灯影ほかげすずしく、かけいの水むくむくときてたまちるあたりにたらいを据ゑて、うつくしくかみうたるひとの、身に一糸もかけで
竜潭譚 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)