“麩屋町”のいろいろな読み方と例文
読み方割合
ふやまち75.0%
ふやちょう25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
そこは平田門人仲間に知らないもののない染め物屋伊勢久いせきゅうの店のある麩屋町ふやまちに近い。正香自身が仮寓かぐうするころもたなへもそう遠くない。
夜明け前:03 第二部上 (新字新仮名) / 島崎藤村(著)
麩屋町ふやまちから新京極は目と鼻の間だった。うっかりしているとすぐ足を踏まれそうな人出で、こゝは毎晩斯うだそうだ。
ぐうたら道中記 (新字新仮名) / 佐々木邦(著)
春琴の家は代々鵙屋安左衛門やすざえもんを称し、大阪道修町に住して薬種商を営む。春琴の父に至りて七代目なり。母しげ女は京都麩屋町ふやちょう跡部あとべ氏の出にして安左衛門にし二男四女を挙ぐ。
春琴抄 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)
南禅寺の瓢亭ひょうていで早めに夜食をしたため、これも毎年欠かしたことのない都踊を見物してから帰りに祇園ぎおんの夜桜を見、その晩は麩屋町ふやちょうの旅館に泊って、明くる日嵯峨さがから嵐山あらしやまへ行き
細雪:01 上巻 (新字新仮名) / 谷崎潤一郎(著)