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りへゑ
見付
手當り次第に
掻浚ひ
元來し道より出行けりお菊は
盜賊の立去るを見て
頓て家内を起せしかば
利兵衞始め走來りて庭にお竹が殺され居るを
怒ると雖
詮方なく頼み切たる
利兵衞斯の如き
心底なれば
當惑致したれども
斯繁昌の御當地に付如何樣にも
口過は
相成申べくと
存じ
其後は一
度も
相尋ね申さず
扨て
彼の
櫛簪の
儀は利兵衞娘菊より
内々貰ひ
母の病氣にて
貯へ
盡候故
與兵衞に賣て母の病氣
救ひ候なり
決して
盜しには候はず
何卒此段御賢察下され御免を