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アルコオル
まくりや、米の粉は心得たろうが、しらしら
明でも夜中でも
酒精で牛乳を
暖めて、
嬰児の口へ
護謨の管で含ませようという世の中じゃあなかった。
内の
医師が手にかけたという、
嬰児の
酒精に
浸けたのが、茶色に紫がかって、黄色い
膚に
褐斑の
汚点が着いて、ぐたりとなって、
狗の
児か鼠の児かちょいとは分らぬ、
天窓のひしゃげた
葡萄のやうな
薔薇の花、
窖と
酒室の花である葡萄のやうな
薔薇の
花、
狂氣の
亞爾箇保兒がおまへの
息に
跳ねてゐる、愛の狂亂を
吹つかけておくれ、
僞善の花よ、
無言の花よ。