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をりいつ
潜め早速ながら先生へ
折入て御頼み申度事あつて參上致したりと云ば重四郎
其はまた何事かは知らねども
改まりし其御詞
日來よりの懇意と申し貴殿も武士我等も武士の
端くれ見掛て御頼みと
有ば否とは
さし置てお光は
家主長助方へ赴き
貴君樣に
折入て
密々御願ひ申度一大事の出來候まゝ
態々參りしなり併し乍ら
人樣の前にては申し上難きことなれば
何卒内々にて
御相談願ひ上度と
言により長助は如何にも承知なりとて
早速自身の家内に向ひ其方は
何方なりとも少しの
間だ
行てを
頼みて
渠か方へ御二方共に
竊に忍ばせ申さんと某し豫てより思ひしか共此病氣にて
渠の方へ行事能はず夫故未だ渠には申談ぜざれども
貴殿より御頼みあらば
承知致さんと云に郷右衞門其儀は
至極然るべきにより片時も早く某し是より須田町一丁目へ
馳參り
陸尺七右衞門に
折入て頼み申べしと立上るを