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ろうへいし
そういって、じっと
老兵士の
顔を
見上げた、あの
青年の
澄んだ
目には、これを
身につけて
自分は
死んでいくという
純情があらわれていました。
老兵士も、みんなといっしょに、この
歌に
耳を
傾けていましたが、
汲み
尽くせない
悲しみが、
胸の
底から、
新らしくこみ
上げてくるのを
覚えました。
「いや、おれたちの
体が
弾丸になるのだ。みんな
捨ててしまえ!」と、
老兵士は、
口まで
出たが、
無理に、だまって、じっと
若い
兵士の
顔を
見返しました。