“よしず”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
葭簀61.3%
葭簾20.4%
葦簾9.2%
葦簀7.7%
葦洲0.7%
葮簀0.7%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
夜になるとよくこの辺の売笑婦たちが集まってくる茶めし屋の葭簀よしず囲い。おうまや河岸にはこれが多い。——市十郎はそこへ連れこまれ
大岡越前 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
切米きりまい、お扶持米ふちまい御役料おやくれうの手形書替へをする。札差の前身は、その役所近くに食物や、お茶を賣つてゐた葭簾よしずばりの茶店だつたのだ。
花火と大川端 (旧字旧仮名) / 長谷川時雨(著)
横臥場はサナトリウムのはしにあって、ポプラだの藤だのの下に葦簾よしずを張り、横臥椅子をずらりと並べてあった。
と法師から打背うちそむく、とおもかげのその薄月の、婦人おんなの風情を思遣おもいやればか、葦簀よしずをはずれた日のかげりに、姥のうなじが白かった。
草迷宮 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
考へるうちにフト思ひついたことが有つて、手をました、さうだ/\、さうしよう、此葦洲よしずと此朝顔、これを上へはして丁度よい涼み場になる、玉蜀黍たうもろこし畑によく見えるこゝへと独りで合点した
黄金機会 (新字旧仮名) / 若松賤子(著)
家根やねの上に葮簀よしずが掛って居て、其処に看板が出てあったよ、癪だの寸白疝気せんきなぞに利くなんとか云う丸薬で、黒丸子くろがんじの様なもので苦い薬で、だらすけみたいなもので、癪には能く利くよ、お前ねえ
真景累ヶ淵 (新字新仮名) / 三遊亭円朝(著)