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もろひら
これはこの
人のものでもいゝ
部類の
歌です。けれども、
先の
諸平に
似た
歌があるのと
竝べて
見ませう。
進取の気ありて進み得ず
趦趄逡巡として
姑息に陥りたる
諸平、
文雄を圧するに足る。
いひ
傳へでは、
大へん
貧乏な
暮しをしてゐて、しかも
國學や
歌の
樂しみを
捨てなかつた
人であります。この
人にも、
諸平同樣同じ
句をはじめに
据ゑて
詠んだ
歌があります。
かういふ
傳記の
一部を
知つて
諸平の
歌を
讀むと、
誠に
思ひ
深いところが
感じられます。