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まかりいづ
大岡殿より
差紙を以て勘兵衞
店權三助十の兩人尋ねの儀
有之に
付召連罷出べき
旨達されければ家主勘兵衞は兩人を
呼貴樣達は何ぞ
惡い客人を
乘て物でも取たか
但し客人の
錢金を
南町奉行所へ召出されし時
越前守殿出席有て
訴訟人越後高田領百姓憑司お早とは其方なるか
并に
差添の者喜兵衞甚右衞門何れも
罷出しやと
仰に一同
罷出る趣き
願あぐれば右
願書を
讀上る
なりにけれ扨も
享保五年三月五日油屋五兵衞并びに同人家内は
奉公人に到るまで一人も
殘らず呼出しと相成しかば家主五人組一同
差添奉行所へ
罷出るに程
無白洲へ
呼込になり願人相手方とも
居並びし時に大岡殿
出座有て
吟味にこそは及ばれたり此大岡殿は
吟味の
節何時も目を