“へこ”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:ヘコ
語句割合
84.5%
兵児7.0%
閉口3.9%
兵古2.3%
屁古1.6%
兵子0.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
ガラッ八のへこむ顔を見て、女は始めて微笑みましたが、そのまま物優しく小腰を屈めると、きびすを返して竹屋の渡しの方へ急ぎます。
白っぽい浴衣ゆかた兵児へこ帯をしめ、田舎臭い円顔に口髯くちひげはやした年は五十ばかり。手には風呂敷に包んだものを持っている。
濹東綺譚 (新字新仮名) / 永井荷風(著)
私は笑うんじゃないと自分自身をしかりつけたけれども、私の中の、小さな悪戯好きの悪魔が、そんなことには閉口へこたれないで私をくすぐった。
二銭銅貨 (新字新仮名) / 江戸川乱歩(著)
つんつるてんの飛白かすりつつっぽに、白木綿の兵古へこ帯を太く巻いた大男が、茶筌ちゃせんあたまを振り立てて、そこらで根から抜いて土のついてる六尺ほどの若木を獲物えものに渡り合うのにも
魔像:新版大岡政談 (新字新仮名) / 林不忘(著)
「……佐原屋といえば、こんどの禁制でいちばん手いたい目にあった組だ。一万斤の生糸の売渡しが破談になったばかりか、そのためにトーマス商会と訴訟になり、その談判に一日の通弁料が百両という仕あわせでは、いかに佐原屋でも屁古へこたれたこったろう」
顎十郎捕物帳:14 蕃拉布 (新字新仮名) / 久生十蘭(著)
涼風のそよぐ夏の夕方なぞ白絣縮緬しろがすりちりめん兵子へこ帯をしめた若い文士の姿がいつも杉垣の中に、大勢の従姉妹達に包まれて見えた。
若芽 (新字旧仮名) / 島田清次郎(著)