“ふたつさげ”の漢字の書き方と例文
語句割合
両提100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
足をおさえた片手をうしろへ、腰の両提ふたつさげの中をちゃらちゃらさせて、爺様じさま頼んます、鎮守ちんじゅ祭礼まつりを見に、頼まれた和郎わろじゃ、と言うと、船を寄せた老人としよりの腰は
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
だから振られるんだ、遊女おいらん持てのしない小道具だ。淀屋よどやか何か知らないが、黒の合羽張かっぱばり両提ふたつさげ煙草入たばこいれ、火皿までついてるが、何じゃ、塾じゃ揃いかい。
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
着流きながしと来て、たもとへ入れた、例の菓子さ、紫蘇入しそいり塩竈しおがま両提ふたつさげの煙草入と一所にぶらぶら、皀莢さいかちの実で風に驚く……端銭はしたもない、お葬式とむらいで無常は感じる、ここが隅田おおかわで、小夜時雨さよしぐれ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
軸物かけものも、何もない、がらん堂の一つ道具に、机わきの柱にかけた、真田が短銃たんづつ両提ふたつさげ
薄紅梅 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
小さくたてに長く折ったのをゆわえて、振分ふりわけにして肩に投げて、両提ふたつさげ煙草入たばこいれ、大きいのをぶらげて、どういう気か、渋団扇しぶうちわで、はたはたと胸毛をあおぎながら、てくりてくり寄って来て
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
親仁おやじ両提ふたつさげよりもふらふらして干柿ほしがきのようにからびた小さなじじい
薬草取 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)