“ふくもの”の漢字の書き方と例文
語句割合
幅物100.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
障子ぎわには小さな鏡台が、違いだなには手文庫と硯箱すずりばこが飾られたけれども、床の間には幅物ふくもの一つ、花活はないけ一つ置いてなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
主人しゆじんきやくこの方面はうめん興味きようみとぼしい樣子やうすて、ふたゝはなしはうもどした。ろくなものはないけれども、のぞみならば所藏しよざう畫帖ぐわでふ幅物ふくものせてもいと親切しんせつまをした。
(旧字旧仮名) / 夏目漱石(著)
その似而非えせ気取りを葉子は幸いにも持ち合わしていないのだと決めていた。葉子はこの家に持ち込まれている幅物ふくものを見て回っても、ほんとうの値打ちがどれほどのものだかさらに見当がつかなかった。
或る女:2(後編) (新字新仮名) / 有島武郎(著)
彼は三尺のとこのぞいてそこに掛けた幅物ふくものを眺め出した。
行人 (新字新仮名) / 夏目漱石(著)