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たちより
古風に
揷たり
袋棚の戸二三寸明し中より
脇差の
鐺の見ゆれば吉兵衞は
立寄て見れば
鮫鞘の大脇差なり手に
取上鞘を拂て見るに只今人を
かの
商人も
立寄見れば、
最前焼飯を
売たる農夫なりしとぞ。
便りに
探し廻る中大井川の彼方なる岡の方に何やら犬の
噬て爭ひ居し
體ゆゑ
立寄しに犬は其品を置て一
驂に
逃行しまゝ右の品を
かの
商人も
立寄見れば、
最前焼飯を
売たる農夫なりしとぞ。
葬りて
修羅の
妄執を
晴し申さんとて千住
小塚原の御仕置場へ到り
非人の小屋へ
立寄些御頼み申度ことありて
參りたり昨日御仕置になりたる武州幸手宿富右衞門の
首を