-
トップ
>
-
そのおもむ
約して各々妻にも
其趣きを
云聞せ是より兩家
別して
睦しく
交際けり然るに兩人の
子供も
丈夫に
成長なす
中疾吉三郎十三歳と成し時
父の茂兵衞
大病を
煩ひ
種々療養を
問に只先生が參りしと申給へと云ば番人は
顏見合せ先生と許では
何先生なるや分り申さず
御名前を
承まはりたしといふ左樣ならば方丈へ山内先生が
參りしと申し給へとの事なれば
早速其趣きを
披見に及べば此度松平左京太夫殿
御病死の所御
世繼これ無に付ては加納將監方へお
預け
遊し候徳太郎君御
跡目しかるべしとの事なり
此儀尤もの事なりとて
早速加納將監へ其段申渡しければ將監かしこまり急ぎ
立戻りて
其趣きを