“せっかく”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
折角93.3%
切角3.0%
刺客2.2%
石廓0.4%
尺蠖0.4%
石椁0.4%
石槨0.4%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「わ、わがはいは、せ、折角せっかくここまで持ってきた戦車に、生前、一度は、の、乗ってみたいのだ。そ、その地底戦車というやつに……」
地底戦車の怪人 (新字新仮名) / 海野十三(著)
切角せっかく道純をっていた人に会ったのに、子孫のいるかいないかもわからず、墓所を問うたつきをも得ぬのを遺憾に思って、わたくしは暇乞いとまごいをしようとした。
渋江抽斎 (新字新仮名) / 森鴎外(著)
わが記者たりし時世に起りし事件にていまに記憶するは星亨ほしとおる刺客せっかくに害せられし事と清元きよもとようの失せたりし事との二つのみ。
書かでもの記 (新字旧仮名) / 永井荷風(著)
が、その古墳の前まで辿たどりついたときにはもう日がとっぷりとれて、石廓せっかくのなかはほとんど何も見えない位でした。
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
一つの石廓せっかくのなかに二つの石棺を並べてあるのは比較的に珍らしいこと、すっかり荒らされている現在の状態でも分かるように、これらの石棺はかなり精妙に古代の家屋を模してつくられているが
大和路・信濃路 (新字新仮名) / 堀辰雄(著)
尺蠖せっかくの縮むは伸びんがためという意味をさとらせようとつとめていた。
新書太閤記:11 第十一分冊 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
子を育てる五月頃になるとよく鶏を盗まれて忌々いまいましく思った村の若者達は、其穴を掘って狐を退治した時にも石椁せっかくには触れなかった。
山と村 (新字新仮名) / 木暮理太郎(著)
「石戸」は石棺を安置する石槨せっかくの入口を、石を以て塞ぐので石戸というのである。これ等の歌も追悼するのに葬った御墓のことを云っている。
万葉秀歌 (新字新仮名) / 斎藤茂吉(著)