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こはい
以て近々に
取戻して遣はさん
而又其方は家内にて
怕ものは誰なるやと尋ねられければ五郎藏ハイ私しの
怕者は番頭の久兵衞でござります毎度私しを
恐ろしく
叱り
付たり
怕眼で
白眼ますから久兵衞ほど
怕者は御座りません夫れに
引替若い者重助は誠に
好者にて若旦那々々々と云て大事にして
呉ますと申すに越前守殿夫れにて分つたり
下れ/\と申されしかば私しの
御内儀さんは
呉々も
御歸し
下さいましと言つゝ白洲を
酔へば
蒼白くなる顔は
益々蒼白く
秀でた
眉を寄せて口を一文字に結んだのを見ると
房は
可恐と思つた。