“けぼり”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
毛彫80.0%
牙彫20.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
かたちあらはされたもので、もつとふるいとおもはれるものは山東省さんとうしやう武氏祠ぶしし浮彫うきぼり毛彫けぼりのやうなで、これ後漢時代ごかんじだいのものであるが、その化物ばけものいづれも奇々怪々きゝくわい/\きはめたものである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あの鈴形すずなりに澄んだ目も、きりッとつぼんだ口元も、板木師はんぎしが一本一本毛彫けぼりにかけたような髪のえぎわも、ふるいつきたいえりあしの魅力も、小股こまたのきれ上がった肉づきも、おれの手にかかれば翌朝は
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
「もう一つ、三日前に八五郎が、この脇差と牙彫けぼり根附ねつけを一つ、十兩で吉三郎に賣つたさうだ。少しわけがあつて、それを返して貰ひたいんだが」
「いゝ加減にしないか、八。吉三郎の狙つたのは、赤鰯あかいわしぢやなくて牙彫けぼりの根附だつたかも知れないな——兎に角、十兩の金を持つて行つて、脇差と根附けを買ひ戻して來るがいゝ」
その時自分の船より一と足先に岸へぎ寄せた傳馬が、炭俵と米俵を二十五六べうをかへ揚げて、サツサと大川を漕ぎ戻つたのを見てゐると、足元の石垣の上に、牙彫けぼりの圓いものが一つ