毛彫けぼり)” の例文
肉取ししどり、平象嵌ひらぞうがん毛彫けぼり、浮彫、筋彫、石め、たがねは自由だから、つるも、葉も、あるいは花もこれに添う。玉の露もちりばむ。
河伯令嬢 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
金物にはしばしば毛彫けぼりが施され様々な紋様を現しました。引手金具ひきてかなぐも色々あって美しいのが少くありません。巾が普通四尺あるので「四尺箪笥よんしゃくだんす」とも呼ばれます。
手仕事の日本 (新字新仮名) / 柳宗悦(著)
かたちあらはされたもので、もつとふるいとおもはれるものは山東省さんとうしやう武氏祠ぶしし浮彫うきぼり毛彫けぼりのやうなで、これ後漢時代ごかんじだいのものであるが、その化物ばけものいづれも奇々怪々きゝくわい/\きはめたものである。
妖怪研究 (旧字旧仮名) / 伊東忠太(著)
あの鈴形すずなりに澄んだ目も、きりッとつぼんだ口元も、板木師はんぎしが一本一本毛彫けぼりにかけたような髪のえぎわも、ふるいつきたいえりあしの魅力も、小股こまたのきれ上がった肉づきも、おれの手にかかれば翌朝は
鳴門秘帖:01 上方の巻 (新字新仮名) / 吉川英治(著)