“きずしょ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
傷所33.3%
疵所33.3%
傷処11.1%
創所11.1%
疵処11.1%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
「実は、傷所きずしょも充分癒りきらぬそれがしが、今日にわかにお伺い致したのは、重ね重ねではござるが折入って尊公に一大事のお頼みに参ったのでござる。何とげてお聞入れては下さるまいか」
剣難女難 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
ええ、ござりますとも、人足ひとあしも通いませぬ山の中で、雪の降る時白鷺しらさぎが一羽、疵所きずしょを浸しておりましたのを、狩人の見附けましたのが始りで、ついこの八九年前から開けました。
湯女の魂 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
ことに老人の傷処きずしょあらため見ればのどを一突にて深く刺れ「あっ」とも云わずに死せしとこそ思わるれ、曲者くせものの去りたる後まで生存いきながらえしとはみとむ可からず、笑の浮みしは実際にして又道理なり
血の文字 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
甚蔵の顔には愛嬌は有るが彼の創所きずしょの痛みの為にその顔を蹙めた時は此の婆に幾等か似て居る、甚蔵は父の容貌を受け夫人は母の容貌を受けたとすれば別に怪しむに足らぬ、夫人の顔を二分
幽霊塔 (新字新仮名) / 黒岩涙香(著)
姉さんどうしたんだッてね、余り可哀相かわいそうだから声を懸けてやりましたが、返事をしません。疵処きずしょにばかり気を取られて、もううつつなんだろうと思いました、わかいのに疼々いたいたしい。
三枚続 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)