“かびん”のいろいろな漢字の書き方と例文
カタカナ:カビン
語句割合
花瓶87.3%
過敏8.9%
花壜3.8%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
室は綺麗きれいに掃除されたり。床の間の掛物、花瓶かびん挿花さしばな、置物の工合なんど高雅に見えて一入ひとしおの趣きあるは書生上りの中川がたしなみあらず。
食道楽:春の巻 (新字新仮名) / 村井弦斎(著)
ここでは旧套きゅうとうの良心過敏かびん性にかかっている都会娘の小初の意地も悲哀ひあい執着しゅうちゃくも性を抜かれ、代って魚介ぎょかいすっぽんが持つ素朴そぼく不逞ふていの自由さがよみがえった。
渾沌未分 (新字新仮名) / 岡本かの子(著)
彼は一つうなづくと素早すばやく、西湖せいこを望む窓辺に駈けより、重い花壜かびん※止はっしとなげつけた。ガタリという物音がして、西湖の空のあたりが、二つに裂けて倒れた。
西湖の屍人 (新字新仮名) / 海野十三(著)