“おおすぎ”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
大杉57.1%
巨杉42.9%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
常陸ひたちの国、河内郡こうちごおり阿波あんば村の大杉おおすぎ明神の近くに、恐しい妖魔が住んでいるので有った。それに竜次郎は捕って、水鳥が霞網にからまったも同然、如何いかんとも仕難くなったのであった。
死剣と生縄 (新字新仮名) / 江見水蔭(著)
れば、虚空こくうを通りがかりぢや。——御坊ごぼうによう似たものが、不思議な振舞ふるまいをするにつて、大杉おおすぎに足を踏留ふみとめて、葉越はごしに試みに声を掛けたが、疑ひもない御坊とて、拙道せつどうきもひやしたぞ。
妖魔の辻占 (新字旧仮名) / 泉鏡花(著)
巨杉おおすぎの梢から金色のしずくが、甚助の背へぽとぽと落ちた。美しい毛艶の神鴉しんあが、ふた声ほど、高くいた。
剣の四君子:03 林崎甚助 (新字新仮名) / 吉川英治(著)
周囲四丈八尺ある門前の巨杉おおすぎの下には、お祭りの名残りの塵芥じんかいや落葉がうずたかく掻き集められて、誰が火をつけたか、火焔ほのおは揚らずに、浅黄色した煙のみが濛々もうもうとして
大菩薩峠:18 安房の国の巻 (新字新仮名) / 中里介山(著)