“いぬころし”のいろいろな漢字の書き方と例文
語句割合
犬殺50.0%
屠犬児25.0%
撲犬師25.0%
(注) 作品の中でふりがなが振られた語句のみを対象としているため、一般的な用法や使用頻度とは異なる場合があります。
窮屈な燕尾服でつまらぬ夜会とかをのぞかうより、木綿縞もめんじま兵児帯へこおび犬殺いぬころしのステツキをもつて逗子の浜でも散歩した方が似合つて居た、と思うて最早斯うなつてはあとの祭
燕尾服着初めの記 (新字旧仮名) / 徳冨蘆花(著)
門を出づる時、屠犬児いぬころしが、「姉御あんまりだ。」「ひどいじゃねえか。」とその気色を物色うかがえば、自若として、「なにまだ、あんな目に逢わせるのが二三人あるよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
「それでは、あらおおうのです、それにあの新聞も、在原の夫人おくさん屠犬児いぬころしに御恵みなすったことなどは、大層めたではございませんか。今停止をさせたでは卑怯ひきょうに当りますよ。」
貧民倶楽部 (新字新仮名) / 泉鏡花(著)
昼は肴屋さかなや店頭みせさき魚骨ぎょこつを求めて、なさけ知らぬ人のしもと追立おいたてられ。或時は村童さとのこらかれて、大路おおじあだし犬と争ひ、或時は撲犬師いぬころしに襲はれて、藪蔭やぶかげに危き命をひらふ。
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)
いな、こはわれ此処にて拾ひしなり」「否、爾が盗みしなり。見れば頸筋に輪もあらず、爾如き奴あればこそ、撲犬師いぬころしが世にえて、わがともがらまで迷惑するなれ」
こがね丸 (新字旧仮名) / 巌谷小波(著)